炎症性腸疾患
私は今まで30年以上にわたり、多くの炎症性腸疾患の患者さんを診てきました。数えてはいませんが、恐らく潰瘍性大腸炎で3000人、クローン病で1000人以上は見てきたのではないかと思います。経歴でもお分かりのように、東京大学医学部附属病院、横浜市立市民病院で外来・入院患者さんたちを診療し、大森赤十字病院、東京大学医科学研究所病院にて中心的に患者さんの診療にあたってきました。診断・治療に悩む症例を持ち寄って相談する会の司会を長年務め、様々な状態の患者さんを疑似体験しました。また厚生労働省研究班では武藤班長の時から継続して関わってきており、治療指針の作成にも関わっていました。現在でも、この研究班の研究協力者であるとともに、アメリカ大腸外科学会の炎症性腸疾患委員会の委員を務めています(たぶん国内の大学や専門病院の医師にもこのような例はなく、日本在住の日本人では唯一でないかと思います)。実際、入院治療や外科手術を除けば東京大学医科学研究所病院在籍時と同様の治療を行えています。確かな治療、最新かつ最適な治療を希望される患者さんや、なかなか治療がうまくいっていない患者さんなど、ぜひ当院で共に病に立ち向かえればと考えています。
さいたま胃腸クリニックでできる治療
5アミノサリチル酸
ペンタサ・リアルダ・アサコール(以上、メサラジン)、サラゾピリン
ステロイド
プレドニン、コレチメント・ゼンタコート・レクタブル(以上、ブデソニド)
免疫調節薬
アザニン・イムラン(以上、アザチオプリン)、ロイケリン(6-メルカプトプリン)
接着分子阻害薬
カログラ、エンタイビオ
免疫抑制剤
タクロリムス
抗TNF抗体製剤
レミケード、ヒュミラ、シンポニー
抗IL-23抗体製剤
ステラーラ、スキリージ、トレムフィア、オンボー
JAK阻害剤
リンヴォック、ゼルヤンツ、ジセレカ
S1P阻害薬
ゼポジア、ベルスピディ
また、血球除去療法は近隣(徒歩1分)の透析クリニックと提携しており、今まではお願いしてから通常1週間以内に開始していただけています。
さいたま胃腸クリニックでは上記全ての治療を行ってきました。安心しておかかりいただけるかと考えております。
(タクロリムスやS1P阻害薬を含めて現在、すべて上記の治療をしております。手術は私自身、数百例の経験がありますが当院ではできません。)
------------------------------------------------------------------------------
炎症性腸疾患とは文字からは「炎症による腸の病気」ですね。確かに広い意味ではその通りなのですが、一般的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つの病気を総称して「炎症性腸疾患」と呼ばれることの方が多いと思います。言い換えると、食あたりなどの「感染性腸炎」や強い放射線が当たった後に生じる「放射線性腸炎」などは腸に炎症が生じていますが、「炎症性腸疾患」には入れないことが多いのです。
世界の中で炎症性腸疾患の多い国はどこか、というといわゆる先進国に多い病気です。あるいは緯度の高いところに多いという研究者もいます。
Cosnes J et al. Gastroenterology 2011; 140, 1785-1794
潰瘍性大腸炎、とはどのような病気ですか?
WHOの委員会では次のようにされています。
特発性大腸炎 idiopathic proctocolitis
(訳)主として粘膜と粘膜下層をおかす、大腸とくに直腸の特発性、非 特異性の炎症性疾患。30歳以下の成人に多いが、小児や50歳以上の年齢層にもみられる。原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられている。通常血性下痢と種々の程度の全身症状を示す。長期にわたり、かつ大腸全体をおかす場合には悪性化の傾向がある。
松井敏幸. 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(渡辺班) 平成21年度総括・分担研究報告書.2010; p484-488
言葉が難しいのですが、一つひとつ解きほぐしていきましょう。
「粘膜と粘膜下層をおかす」
腸は円筒のような形をしており、いくつかの層から成っています。(作成中)
